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幅 : 8.8cm×8.8cm 高さ : 3.5cm
本作は、多賀井正夫様が制作された**青瓷盃(せいじはい)**でございます。浅くひらいた蓮弁のようなフォルムが特徴で、広がりのある口縁が酒面に映り込む光を柔らかくとらえ、涼感と優雅さを同時に演出いたします。
雨過天青の色彩
還元焼成により発色した淡青は、北宋汝窯を思わせる潤いある透明感を帯びております。光を受けると淡いグラデーションが生まれ、見込み中央に映る光輪が水鏡のような趣を添えます。
鏡面質感と貫入抑制
素地と釉薬の膨張率を精密に合わせ、貫入を極力排除。これにより口当たりは滑らかで、酒質を変質させずに愉しめます。
釉厚のコントロール
見込み中央をやや厚掛けに、口元を薄く仕上げることで、淡く透ける青の層次が生まれ、器の奥行きを感じさせます。
歴史
青瓷盃は、中国宋代の文人たちが愛した酒器に端を発し、日本では鎌倉期以降、禅僧がもたらした唐物として珍重されました。桃山期には茶の湯文化の広がりとともに**「涼を呼ぶ器」**として位置づけられ、夏の風炉点前などで用いられました。本作は、その文脈を踏まえつつ現代の美意識に調和するよう設計されています。
本作「青瓷盃」は、浅鉢形のひらきによる解放感。雨過天青の潤いが生む涼味。鉄巻きの細縁が与える静かな緊張。これらが絶妙なバランスで共鳴し、酒席・茶席・室礼のいずれの場面でも空間に瑞々しい静けさをもたらします。多賀井正夫様の高度な技術と深い美意識が凝縮された小宇宙を、どうぞ長くご愛玩くださいませ。
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